むし歯や歯周病などの病気で歯を失った時、必ずブリッジ、入れ歯、インプラントなどの人工歯を入れなければいけないかと言えば、そうとは限りません。歯を失ったのは「病気の結果」であって、「病気そのもの」ではないからです。歯を失ったことで「喋りにくい」「ものがよく噛めない」などの機能障害があるようであれば、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどの治療が必要となりますが、そうした機能障害がなく、見た目も気にならないようであれば、そのままにしておくことも選択肢の1つであると言えます。ただし、多数歯欠損を放置していると、残存歯や顎の関節・筋肉に過度な負担がかかることがありますので、こうした場合には治療を検討するべきでしょう。
患者様が望まれるライフスタイル、また口腔内の状態によっても「治療の適切なゴール」は異なります。歯を失ったことでQOLが低下しておらず、さらに治療のゴールを「見た目」ではなく「QOLの維持」に置くのであれば、費用をかけたり、お体に負担をかけたりしてまで、欠損補綴治療を選択する必要はないと考えています。当クリニックでは患者様お一人おひとりとよく相談した上で、治療の適切なゴールを見定めます。