メインテナンスの大切さ

不可逆的な慢性疾患としての歯科疾患

伊藤歯科クリニックでは、虫歯や歯周病を「不可逆的な慢性疾患」として捉えています。

例えば、骨折した場合、適切な治療で元通りになりますが、虫歯で失われた歯質や歯周病で減ってしまった骨は基本的に元には戻りません。また、虫歯を治療して詰め物や被せ物をしても、それは「修復治療」に過ぎず、虫歯の原因となる状態そのものは改善されていません。
さらに重要なのは、人工的な詰め物や被せ物は永久に持つものではないという現実です。どれほど優れた材料や技術を用いても、口腔内という過酷な環境では必ず経年劣化します。実際、最も長持ちするのは、人の手が加えられていない天然の歯なのです。

なぜ定期メインテナンスが必要なのか？

お口の健康管理は、一度の治療で完結するものではありません。むし歯や歯周病は慢性的に進行する疾患であり、症状が現れる前に静かに進行することも少なくありません。そのため、定期的なメインテナンスを受けることが、健康な歯を長く保つためのカギとなります。

リスクに合わせたオーダーメイドのメインテナンス

当クリニックでは患者さん一人ひとりのリスクに合わせた個別のメインテナンス間隔を設定しています。リスクの高い方は2ヶ月に1回、標準的な方は4ヶ月に1回、リスクの低い方は半年に1回というように、科学的根拠に基づいて最適な間隔をご提案しています。
また、メインテナンス手帳を活用して、治療の経過や口腔内の状態、次回のメインテナンス予定などを記録し、継続的な管理をおこなっています。
メインテナンスは「大掃除」のようなものです。ご自宅での日々の「掃除」（歯みがきなどのセルフケア）に加えて、プロによる定期的な「大掃除」（専門的なクリーニングや検査）を組み合わせることで、お口の健康を長期的に守ることができます。

同じ歯科医院での継続的なケアの重要性

定期メインテナンスは、同じ歯科医院で継続的に受けることが理想的です。長期間にわたる口腔内の変化を追跡できるため、わずかな異変も見逃さず、適切なタイミングで治療をおこなうことができます。また、患者さんごとの生活習慣やリスクを把握した上で、より適切なアドバイスやケアを提供することが可能になります。

伊藤歯科クリニックのメインテナンスへの取り組み

当クリニックでは、患者さんの口腔内の健康を守るため、歯周病メインテナンス（SPT：Supportive Periodontal Therapy）を重視しています。これは、細菌の影響力と患者さん自身の抵抗力のバランスを継続的にチェックし、適切な処置をおこなうことで口腔環境を最適に保つものです。

むし歯と歯周病は「慢性的な感染症」

むし歯や歯周病は、細菌による慢性の感染症です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、「痛みがないから大丈夫」と思っている間に進行してしまうことがあります。

お口の健康を守るために、歯科医師の指示に従い、定期的なメインテナンスを受けましょう。伊藤歯科クリニックでは、患者さんお一人ひとりに合わせた丁寧なメインテナンスプログラムをご提供し、長期的な口腔の健康をサポートいたします。ご質問やご相談がありましたら、お気軽にお尋ねください。